Arch angelの乙女達


笑う大天使(ミカエル) (第1巻) (白泉社文庫)

笑う大天使(ミカエル) (第1巻) (白泉社文庫)

(画像ないんですね…ガッデム)


遅すぎる私。今日始めて知りました。
笑う大天使」映画化ですってねー!びっくり。
私の大好きなマンガです。
ちなみに、知人からこのマンガの主人公3人が
全員私にそっくりであると指摘を受けたことがあります。
なんか、かもし出す雰囲気とかものの言いようが
似ているらしい。そうか?


川原泉作品の中で一番好きなのは、やっぱりこれ。
簡単にあらすじを説明すると、
超お嬢様学校の聖ミカエル学園に通う
主人公3人は、実は完全なる庶民感覚の持ち主で、
お嬢様らしからぬその本性を隠して過ごしている。
同じ猫をかぶる者同士仲良くなった3人は
ある日突然怪力を手に入れてしまい、
巷を騒がす誘拐団に立ち向かう、ってな話。
私が書くと、わけがわからん話だな…。



本編はこういう話ですが、このマンガの素晴らしい部分は
むしろその続編だと思っています。
このマンガには、本編とは別に3本の続編があるのです。
ここでは、3人それぞれを主人公に
彼女たち自身の物語が描かれていて
より読みごたえがあります。もちろん本編も面白いけどね。
コメディーとしての面白さはもちろんのこと、
泣けるんです。(本編にもしんみりさせるとこはありますが)
両親が家庭内離婚状態だったり、両親が死んで十五年間生き別れていた兄に
引き取られて暮らしていたり
実は問題や複雑な事情を抱えている主人公たちと
彼女たちを取り巻く人々、それでもみんなひねくれもせず優しくて
周りの人を大切にして(気をつかって)一生懸命生きてるんですよ。
ああみんないい子だなあ、と頭をなでてあげたくなる。そんなマンガ。
なんだそりゃ。


映画では、本編の物語が主な模様。
ワイヤーやCGを使ったアクションコメディーとのことです。
どうなるんだろう。今時流行りの若者向け映画みたいになるのかな。
でも、コメディー部分だけでなくて上記のような大切な要素も
忘れて欲しくないなあ。


マンガや小説などを映画化した場合、
原作ファンを納得させられるモノを作るのは容易でないと思います。
どんなに良いものを作っても、全てのファンを100%満足させるのは
無理でしょう。
むしろ、多くの場合は変に原作にとらわれるより、作る側が思いっきり
好きなようにやっちゃった方が、いっそ面白いモノが
出来るんじゃないかと思います。
でも、自分がここまで思い入れのある原作が映画化されるのは
ぼくんち」以来で久しぶりなんだ。弥次喜多は実はそんなに読み込んでいなかったのさ。
(あ、「姑獲鳥の夏」もあったな…あれはガッカリ)
ぼくんち」の時は映画の雰囲気がイメージと合ってたこともあって
そんなには感動しなかったけど、まあ
良くも悪くもなくプラマイゼロ、といった感想でした。
ただ、原作を知らずに観ていたらもっと感動できたかもしれないな、とも
ちょっと思う。
原作が好きな作品だと、どうしてもまっさらな気持ちで映画を見られないし
みる目が厳しくなってしまう。
なので、今回の映画化も原作ファンとしては少しだけ不安。
そんな不安を吹っ飛ばしてくれるようなパンチの効いた映画であることを祈る。



楽しみにしてます。